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小児科|保坂こどもクリニック|東京都文京区白山|医療法人社団泰篤会

ママのお悩み相談室

発疹について

発疹には色々な原因があり、症状が軽く自然に消えるものも多いのですが、中にはきちんと予防、治療をしなければ大変なことになるものもあります。

ウイルス感染による発疹は種類も多く、お母さんからもらった免疫(移行免疫)がなくなる、生後6か月以降にかかるようになります。

お母さんが感染したことがないウイルスが原因の場合は、赤ちゃんにも免疫がないので、新生児期、乳児期早期に発症することもあり、時に重症になります。

ウイルス性の発疹症には、どのようなものがありますか?

突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス5・7というウイルスが原因で、突然の高熱が3、4日続き、熱が下がると発疹が出現します。高熱の割に機嫌が良いという特徴があります。

回復後も宿主に潜伏を続け、成人になり唾液等を介して移行免疫が消えたわが子に感染します。赤ちゃんの初めての発熱の原因として知られ、発疹は後から出るため発熱の原因がなかなか分からず、お母さんはとても心配になります。怖い病気ではないのですが、遠慮せずにお医者さんに相談すると良いでしょう。

はしか(麻疹)は、発熱から4日目頃に発疹が出てきます。一度熱が下がり再び上がって高熱となるため、非常に重症感があり、特に乳児は重症化しやすい病気です。結膜炎を伴うことも多く、時に中耳炎、肺炎、稀に脳炎を合併します。

風疹(三日はしか)の発熱、発疹は三日ほどで消え、はしかより軽い病気です。

しかし、お母さんに免疫がなく妊娠中に感染すると、お腹の赤ちゃんにもウイルスが感染し、出生時に難聴、白内障などの先天性風疹症候群を発症することがあります。

麻疹風疹混合ワクチンを、1歳と年長児のときに計2回定期接種し、予防します。免疫がない成人は妊娠する前にワクチンの追加接種をしておくことが重要です。乳児期から保育園に通う子どもは、集団生活により感染のリスクが高まり、罹患するととても重篤になります。移行免疫がなくなる生後6か月以降に任意で接種をすることをお勧めします。

りんご病(伝染性紅斑)は、両頬がりんごのように、上下肢がレース模様に赤くなります。ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因ですが、発疹が出てりんご病だと分かった後は他の人に感染しません。

妊婦さんが感染すると流産したり、体に水がたまる胎児水腫を発症したりすることがあります。ワクチンはありません。

手足口病は、手足や口に発疹ができる夏かぜのひとつです。

夏に流行するウイルス感染は発疹を伴うものが多いですが、ほとんどが軽症です。

水ぼうそうと帯状疱疹は、原因のウイルスが同じだと聞いたのですが。

共に水痘帯状疱疹ウイルスが原因です。水ぼうそう(水痘)は、初めて感染したときに全身に水疱ができる病気です。

治った後も体内にウイルスが潜み、年長児や成人になって免疫力が低下したときに帯状に水疱ができることがあり、これが帯状疱疹です。1歳時のワクチン定期接種が昨年から2回になり、発症予防が期待されています。

同様に一度感染すると再発することがあるものに、単純ヘルペス感染症があります。単純ヘルペスウイルスに初めて感染した際、発熱と共に、口の周りの発疹、口内炎、歯肉炎を起こします。稀に脳炎を起こすこともあります。治った後もウイルスは体内に潜み、口唇ヘルペスなどとして再発します。

発疹が出る病気は、ほかにどのようなものがありますか?

細菌感染症で発疹が出るものとして溶連菌感染症があります。高熱と咽頭痛で発症し、顔、体に痒みを伴う発疹が広がります。抗生剤治療が遅れたり、不十分だと、急性腎炎、リウマチ熱などを起こすことがあります。

川崎病は全身の血管が炎症を起こす病気で、特徴的な症状に、発熱や眼の充血のほか、全身の発疹があります。心臓の合併症があり、きちんと診断し適切な治療を受ける必要があります。

院長のコラムが毎号紹介されている
【母の友】の『こども健康相談室』より

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