ママのお悩み相談室

日頃ご相談の多いものについてわかりやすく説明します。

食物アレルギー(重篤なもの)について

食物アレルギーの中でも重症な「アナフィラキシー」についてお話ししたいと思います。

アナフィラキシーとは、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)の侵入によって複数の臓器や全身にアレルギー症状が引き起こされ、生命に危機を与え得る過敏反応のことをいいます。アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合を「アナフィラキシーショック」と呼び、迅速な対応が必要になります。

食物アレルギーの約10%がアナフィラキシーショックに進展すると言われています。

アナフィラキシーには、どのような症状がありますか?

全身症状、循環器、呼吸器、消化器、皮膚・粘膜、神経症状など多様です。

全身症状としては、不安感、無力感、冷や汗等があります。循環器症状としては、動悸、胸が苦しくなる→血圧低下、脈拍が弱くなる→チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色に)、呼吸器症状としては、鼻が詰まる、くしゃみ→喉や胸がしめつけられる、咳発作→呼吸困難、消化器症状としては、吐き気、口の中の違和感、便意や尿意をもよおす、お腹がごろごろする、強い腹痛、嘔吐、下痢、便・尿失禁、皮膚・粘膜症状としては、皮膚のかゆみ、皮膚が白くあるいは赤くなる、じんま疹、まぶた・口の中の腫れ等、神経症状としては、口唇・手足のしびれ感、耳鳴り、めまい、目の前が暗くなる→けいれん、意識障害と進展します。

食物以外にも原因はありますか? また頻度はどのくらいですか?

食物が原因のことが多く(35%)、昆虫刺傷(20%)、医薬品(20%)が続き、その他、ラテックス(天然ゴム)、運動でも起きることがあります。

小・中学生で0・15%、高校生で0・11%がアナフィラキシーを経験しています。

アナフィラキシー症状が出た場合、どう対処すればよいのでしょう?

食物摂取後アナフィラキシー発現までの時間は二十分ぐらいといわれています。アナフィラキシー発現から心停止までの時間は、食物が原因の場合で三十分、蜂毒で十五分、薬物で五分と言われています。速やかに適切な対処を行うことが重要なのです。

じんま疹等の軽い症状に対しては抗ヒスタミン薬を飲むことで回復することもあります。ゼーゼー・呼吸困難・嘔吐等、中等症から重症の症状が認められたら、救急車を呼んでください。

アナフィラキシーショックに対して最も有効な治療薬の一つがエピネフリンです。普通は注射器で筋肉内に注射します。しかし、病院に行ってからの投与では間に合わないことが多いので、自分で太もも前外側の筋肉内に注射することができるエピペンという自己注射型製剤が開発されています。

アナフィラキシーを起こす可能性のあると診断されている人は携帯しておくことが勧められます。しかし症状が出たときには、本人が既に注射できない状態にあることも多く、家族や、園・学校の先生、一般の人々も使い方を知っておくことが重要です。

食物アレルギーやアナフィラキシーに関して、さらに知っておいたほうがよいことはありますすか?

「口腔アレルギー症候群」は、果物や野菜、木の実類に対するアレルギーに多い病型で、食後五分以内と早期に口腔内の症状(のどのかゆみ、腫れぼったい等)が出現します。多くは局所の症状だけで回復に向かいますが、5%程度で全身症状に進むことがあります。

「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」は多くの場合、小麦、甲殻類などの原因食物を食べて二時間以内に一定量の運動(昼休みの遊び、体育や部活動等)をすることによって出現します。多くは十代で、中学生で六千人に一人程度とまれですが、発症すると、じんま疹から始まり、高頻度で呼吸困難やショック症状のような重篤な症状に至るので注意が必要です。

院長のコラムが毎号紹介されている【母の友】の『こども健康相談室』より

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