ママのお悩み相談室
日頃ご相談の多いものについてわかりやすく説明します。こどものけが 〜とっさの処置について
すべての危険を排除するのは不可能です。「ダメ」と「のびのび」のバランスは難しいものです。こどもは小さなけがの経験から自分を守る方法を身につけていきます。
親は、家庭で対応できることか、病院へ駆けつけるべきか判断できる知識を持っていることが大事です。おうちに用意しておいた家庭医学書等(最近はネットの検索) をみて、あわてないで応急処置をしてください。心配なら1人で悩まず、お医者さんへ行きましょう。
けが(擦過傷、切創)、打撲、骨折
傷口が汚れていたら、水道水できれいに洗いながします。血が出ていたら、きれいなガーゼで圧迫します。腫れてきたら氷嚢で冷やします。傷口にティッシュペーパー等のへばりつくものを直接かぶせてはいけません。傷口の処置の妨げになります。アロエの葉等の民間療法は止めましょう。
頭を打った
転落事故防止のため、ベビーベッド、椅子の上、階段、ベランダ等の危険なところには一人では登れないように前もって工夫しておきます。
打った後、激しく泣いたが元気になった場合、まずひと安心。頭にこぶがあれば冷やします。
打った後、意識がない、ぐったりしている、けいれんがある、顔色が悪い、頭痛を強く訴える、嘔吐する、たくさん出血している、へこんでいるような場合は、病院へ行く必要があります。あとから症状が現れることもあります。特に2〜3日は注意してみてください。
やけど
やけどは、程度により、1度(赤くなる)、2度(水疱)、3度(黒くなっている)に分類されます。2度までのやけどはきちんと対応できれば痕には残りません。
できる限り早く水をかけて冷やす(最低10分)。水疱ができている時は破れないように洗面器などで浸して冷やす。2度以上のやけどは病院に行きます。
歯が折れた、抜けた
ぶつかって歯が抜けた時、もとに戻せることもあります。抜けた歯をすぐに水道水でこすらずさっと洗い元の位置に戻します。傷がひどい時、もとに戻せない時、乾燥させないように牛乳の中に入れて歯科医院へ。
鼻血が出た
鼻血は心配ない場合が多いです。
座って下を向かせる。小鼻(鼻翼)全体を10分ほどつまんで圧迫。15分経っても止まらない時、出血がひどい時、顔色が悪い、吐血を繰り返す等は病院へ行きます。
鼻、耳の異物 ガラス・プラスチックの玉、豆類、ボタン等をこどもがいたずらをして入れることがあります。
鼻なら反対の花を押さえて強く鼻をかむ、耳なら異物が入った耳を下にして反対側の頭を軽くたたく、等により出てくることがあります。異物が外から見える場合、先のとがっていないピンセットで奥に押し込まないようにして取り出してみる。とれなければ耳鼻科へ。
目の異物 ゴミ、砂、虫 油、薬品
絶対に目をこすってはいけません。涙で流れ出ない時は、水の中でまばたき、小さい子はお母さんが片手で水をすくって洗う。熱湯、薬品の時は直ぐに眼科へ。
腕が抜けた
子どもを起き上がらせたり連れて行こうとして手を引いたら、急に腕を痛がり始めた、遊んでいて転び、不自然に手をついたら突然腕が動かせなくなってしまった。
これは肘内障(ちゅうないしょう)をおこしているかもしれません。ひじの骨のいちばん上の骨頭部というところが、ひじの靱帯(じんたい)から外側へ手の方にずれることで起きる亜脱臼(あだっきゅう)です。
肘内障は、2〜6歳の子どもに多く、なりやすい子もいますが、骨格が発達するにつれ起きなくなっていきます。肩や手首の骨折の可能性もあるので、どの部分が痛いのか、はれはないかなど確認します。肘内障の場合、腕をだらんと下げて動かさず、バンザイのかっこうができなくなります。
肘内障と判断すれば整復します。 ひじの関節を、手のひらが上向きになるようにねじるだけで、コクッという音がしてひじがはまります。
痛みも瞬時になくなるので、大泣きしていた子どもがあっという間に泣きやみます。コツさえわかれば簡単なことなのですが、思い切ってできない時は、小児科、整形外科などを受診して治してもらいましょう。
院長のコラムが毎号紹介されている【母の友】の『こども健康相談室』より