ママのお悩み相談室

日頃ご相談の多いものについてわかりやすく説明します。

男の子、女の子について

男の子、女の子の「違い」や「育ち」についてお話します。

「男の子」「女の子」は、いつ頃、どんなふうに決まるのですか?

妊娠5〜6週くらいの胎児は、まだ性別がはっきりしていません。

妊娠8週以降に、男の子だけが持つY染色体上にある遺伝子の働きで、男の子の性腺は精巣に、Y染色体を持たない女の子の性腺は卵巣になります。

その後、男の子は精巣から「アンドロジェン」と呼ばれる男性ホルモンが大量に分泌され(アンドレジェン・シャワー)、外性器が男性型になっていきます。

体の大きさに違いはありますか?

出生時の身長や体重には、統計的に男女差があります。

また、性ホルモンの分泌による第二次性徴や身長の伸びは、女の子の方が男の子より、平均して2年程早く始まり、早く終わります。

最終身長の平均が、女性157センチ、男性170センチと差ができるのは、性ホルモンの分泌が始まる時期や身長増加作用の男女差のほか、Y染色体に身長に関係している遺伝子があるためと言われています。

病気のかかりやすさに、男女差はありますか?

日本の平均寿命は、女性87歳、男性80歳と差があり、統計的に、例えば癌は1.4倍、慢性腎臓病は2倍、男性が女性よりかかりやすいことがわかっています。

小児期からの病気で、女の子より男の子に多いものとして、腸の一部が腸に入り込む「腸重積」(2倍)、全身の血管が炎症を起こす「川崎病」(1.5倍)、腎臓の疾患「ネフローゼ症候群」(2倍)、小児の喘息(1.5〜2倍)などが挙げられます。

逆に、女の子の方が多いものに「1型糖尿病」(●倍)や「バセドウ病」(●倍)などの自己免疫疾患があります。

詳しいメカニズムはわかっていませんが、これらの病気は発症率に男女で差があります。

男の子の方が体が弱いと言われることがありますが、風邪のひきやすさは男女差より個人差と考えられています。

自分が「男だ」「女だ」と認識するようになるのはいつ頃ですか?

性別には、染色体や内性器、外性器などの生物学的な性別(セックス)のほかに、心理的・社会的な性別(ジェンダー)があります。

セックスはヒト科のオス、メスの違いを指しますが、ジェンダーは成長する中で身につけたり、周りから期待されたりする性別に関する特徴のことを言います。

自分が生物学的にどちらの性別に属しているかという認識は、2歳頃からできるようになり、4〜5歳頃に確立することが多いようです。保育園等でも4〜5歳児のクラスになると、同性同士で集まる傾向が出てきます。

おもちゃの好みに男の子と女の子で違いがあると言われますが…?

幼少期の、色やおもちゃの好み、何の絵を描くかなどに、男の子と女の子で傾向に違いがあり、その差が顕著に出てくるのは3歳過ぎと言われています。

お母さんのお腹にいるときに、男性ホルモンを浴びたかどうかが脳に影響するためだと言われていますが、脳の構造や機能については、わかっていないことがたくさんあります。

好みは、生まれた後の様々なことに影響され、作られていきます。

例えば、男の子が電車のおもちゃで遊んでいるとき、お母さんが「電車で遊んで楽しいね」と肯定的に話しかけると、子どもはお母さんの喜ぶ顔が見たくてそのおもちゃで遊ぶようになる、ということもあるかもしれません。

社会的・文化的な環境、周りの人の影響により、各々の好みを身に付けていきます。

好みは個性の一部ですから、男の子にはこれ、女の子にはこれ、といったような大人が抱くイメージではなく、その子らしさを尊重してあげることが大切です。

院長のコラムが毎号紹介されている【母の友】の『こども健康相談室』より

保坂こどもクリニック

東京都文京区白山5-27-12

診療時間終了後の夜間や休日も
できるかぎり対応いたします

保坂こどもクリニック電話(03-3946-0641)

ご予約は、お電話ではなく、
WEBから入力いただけると助かります

保坂こどもクリニックのオリジナルLINEスタンプ【はたらくお母さんを優しく応援するスタンプ】
miku
母の友
ドクターズファイル(保坂こどもクリニック)

Copyright ⓒhosaka-kodomo-clinic All Rights Reserved.
ページ最上部へ